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本のレビュー

ブックレビュー

コミュニティや市民活動に関する本などのレビューです。
   
 

本のレビュー

これまで、メンバーが読んだ本のいくつかをご紹介します。ジャンルもいろいろありますが、どの本も、参考になる本ばかりです。

 ■ 自治体のIT革命
  著者:榎並利博 出版社:東洋経済新報社

人々のニーズがライフスタイルや価値観の多様化によって様々に異なっている今日、 ニーズに対応したサービスを提供する財源である税収も不足しています。
この状態を、筆者は行政にとって出口の見えないトンネルに入り込んだ状態だとし、 これからの日本における行政改革について論を進めています。
行政に関わる人々が情報技術の意義を正しく認識し、情報技術が行政改革の重要な手段として、組織や文化を変革する重要な手段として役立つようにとの著者の意向がよく反映された内容になっています。
情報技術の組織や社会の中での浸透、自治体の取り組み、IT革命を推進したアメリカ の状況を報告、これらを踏まえて日本においてIT革命がなかなか進まない阻害要因などをについて考察し、今後のITを基盤とした自治行政のあり方について、その展望を 語っています。特に日本特有の課題では、各種台帳の特殊な漢字の取り扱いなどに触れられています。
「情報バリアフリー」、「サイバーテロ」、電子自治体が発展していくために知っておくべき項目が目白押しです。

 ■ 行政広報〜その確立と展開〜
  著者:本田 弘 出版社:SANWA co.,Ltd

本書では、地方自治体を取り巻く環境は日々大きく変化しつつあり、自治体がそうした変化を事前に予測し、変化の到来に先行して施策を展開していく必要性を説いています。
自治体固有の情報の広報化を横軸とし、国などの情報の広報化を縦軸とし、その交差する接点が広聴であり、広報はその広聴が広報の構図の中心にあると述べています。
本書を読み進むうち、広報活動を行うにあたっての、その活動の中枢機能を担っている広聴について、その重要性を理解、認識させられます。また、広聴を十分に行うことによって、住民の意識や要望を政策や計画に反映することができるということが実感できます。
自治体職員にとっての広報とは?という総論から、住民参加型の広報のあり方、環境行政における行政広報のあり方などの各分野における広報についても言及されており、行政広報の現状の問題点を指摘しつつ、課題解決の方策を示唆しています。

 ■ 実践・行政評価
  上山信一 他編著 出版社:東京法令出版

「行政評価」という言葉はいたるところで耳にするようになりましたが、では、実際に何をどうしていけばいいのでしょうか。
自治体職員としては疑問と悩みのつきない分野です。本書では、行政評価導入の実態をデータで示しています。また、全国各地の先行事例、これらの事例を通した分析、首長の実践のための教本、担当者レベルでの取り組み方、全国の事例の導入のプロセスの分析なども紹介されています。
(1) 行政の仕事ぶりを「評価する」(2)行政の目標を「数値」で表す(3)行政の戦略を積極的に住民に「マーケティング」するといった新しい考え方にどう向かいあっていけばよいか、実際の事例に沿った考察がなされています。
随所にフローチャートやデータをグラフ化したものが盛り込まれており、ビジュアル的にもわかりやすい書となっています。

 ■ まちづくりの実践
  著者:田村 明 出版社: 岩波書店

最近、まちづくりという言葉がよく使われます。
日常なにげなく使われるこの言葉ですが、じゃあまちづくりとは?と聞かれると言葉に詰まる方も多いのではないでしょうか。
この本では、全国各地のまちづくりの実践を紹介し、まちづくりに必要な要素を伝えています。
人が住まなければ、まちとは言えません。”どんなに立派な仕組みでも、それを動かすのは「ヒト」であり、その行動の基礎は思いや心情という「ココロ」。「ココロ」がないまちは無機的なものとなる・・・。”と続くセンテンスには共感を憶えました。
また、後半のまとめの部分では、まちづくりを継続していくために必要なこととして、「まちを愛する」、「人が好き、出会いが好き」、「楽しむ心、ゆとりの心」、「小さな感動をもつ」など、基本的な、でもとても大切なエッセンスを私達に提示してくれています。
本を読み終える頃には、自分なりの「まちづくりとは?」に対する答えが見つかるかもしれません。

 ■ 恋するように働きなさい
  著者:水澤佳寿子 出版社: 小学館

文部科学省内、早稲田大学内などへの保育所の設置を手がけた(株)コティの女性社長、水澤佳寿子さんが書かれた本です。
「そもそも仕事と子育て、両立なんて考えなくていいんじゃない。その時その時の優先順位を決め、いまやるべきことに集中することが大切。子どもは親の働く姿をしっかり見て、社会の一員として生きていくことを学ぶものです。」との内容が書かれており、働く女性にエネルギーを与える言葉が多くありました。
本書は、経営者としてのノウハウを教授する、というよりも、むしろ、子どもを持つ母の育児支援、仕事と子育て、日々いろいろと悩みを抱えている女性にエールを送りつつ、現在の日本社会の子育て支援体制について疑問を投げかけています。
一昔前と比べると、子どもを産んでも仕事を続やすい環境が整ってきたとはいえ、真に利用者のニーズに沿っているかというと、まだまだ取り組むべき課題は散在しています。
このようななか、この水澤氏が進める子育て支援の経営方針、母親を大事なお客様と見立て、あたりまえだけど、大事なこと、他にはない新しい試みを実践し、成功した好事例でしょう。

 ■ NPO最前線〜岐路に立つアメリカ市民社会〜
  レスター M.サラモン 著 山内直人 訳・解説  出版社: 岩波書店

非営利セクターの実証研究の第一人者、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学教授のレスターM.サラモンの訳著。
今日、多くの国々で地球規模の「非営利活動」に関する研究、取り組みが進行しています。本書は長らくフィランソロピーと非営利活動の事実上の母国と考えられてきたアメリカにおける危機的な状況を紹介しています。アメリカの非営利セクターでは何が今おこっているのか、数々のパラドックスにどう向かい合うべきか。これらの基本的な問いに答え、アメリカの非営利セクターが直面している危機について吟味し、これらの課題への対処策を検討し、アメリカの非営利セクターがこの試練に立ち向かうための有効な方策を示唆しています。
さらに、アメリカの非営利セクターの直面する問題を踏まえ、日本の非営利セクターがこれらの現象から何を学びうるか、との視点からの考察も盛り込まれています。また、NPOとは?という基本的な事項から、日本国内でのNPOに関する調査のデータ等も紹介されています。平易な文章で書かれ、初心者でも読みやすい本です。

 ■ 市民参加のまちづくり(NPO・市民・自治体の取り組みから)
  編著:伊佐 淳 ほか 出版社:創成社

地域の様々な資源に対するオーナーシップを住民・市民が取り戻し、地域の活性化を自らの問題と捉え、参加・活動につなげていくことが課題となっています。
市民ひとりひとりのこれからのまちづくりへの参加にむけて、何が必要なのでしょうか。
本書では、地域レベルでの福祉・防犯・文化活動など、様々な分野の具体的プロジェクトをとりあげ、成熟した豊かな社会環境を創り出そうとの呼びかけがなされています。
新しい地域のまちづくりに向け、NPO、行政関係者、学生など、どの分野においても、新たな参加者を呼び込む手がかりが見つかることでしょう。

  「学校を基地に<お父さんの>まちづくり」〜元気コミュニティ!秋津〜
  著者:岸裕司  出版社:太郎次郎社

千葉県習志野市の秋津小学校。今から24年前の,1980 年(昭和55 )に東京湾の埋め立て地に誕生したニュータウンでのまちづくりが紹介されています。著者は、岸裕司さんで、『「地域暮らし」宣言―学校はコミュニティ・アート!』の前段として出版されています。
秋津に住むひとりひとりが主体的に創りあげたまちづくり。お父さんパワーを引き出したユニークな作戦が満載です。
児童数の減少により、発生した空き教室を地域のだれもが出入りできるコミュニティルーム として市民に開放し、自分たちの手で運営を行ってきています。
また、本の後半にでてきますが、岸さんらを中心に、「学校と地域の融合教育研究会」なる組織も発足させ、全国規模での活動へと発展しています。
活動の写真やこれまでの秋津コミュニティの歴史年表なども盛り込んであり、わかりやすくまとまっています。

  コミュニティビジネスと自治体活性化
  著者:高寄昇三  出版社:学陽書房

少子高齢化、情報化の進展、女性の社会進出、社会の成熟化と市民参加の増加、地場産業の衰退や雇用の場の喪失など、ライフスタイル・ワークスタイルなどの環境は日々変容しています。また、コミュニティの希薄化、さらには国と地方自治体の財政悪化など、地域をとりまく環境は複雑化しており、従来の行政の枠組みでは解決できない「きめ細やかな」対応が求められています。このような状況の中で、地域が抱える課題や住民ニーズに取り組むビジネス形態として、「コミュニティ・ビジネス」という言葉がよく聞かれるようになってきました。
 本書では、コミュニティビジネスの第一の要件は「事業性」であるとし、市民グループが有償で参加し、活動の収益を収入源とした事業的運営がなされなければならないことを強く提唱しています。ビジネスとして事業収入を確保、活動を展開する自立的な事業体としてのシステムづくりの必要性を、多様な事例をあげ、官民のパートナーシップの戦略も交えて解説されています。コミュニティビジネスの活性化により、地域の実状にあった、地域社会の実現に大きく寄与することを期待します。

  「NPO教書」創発する市民のビジネス革命
  編著:ハウジングアンドコミュニティ財団  執筆:林泰義 小野啓子  出版社:風土社

本書ではアメリカをはじめ、欧米のNPO、なかでも住まいとまちづくりといった分野のNPOを中心にその制度、法的位置づけ、運営方式などを紹介しています。
アメリカはコミュニティ開発法人(CDC)の実態を、欧州は主に住宅供給を担う非営利団体についてまとめてあります。
これら欧米の民間非営利セクターの仕組みは、日本における住まいとコミュニティづくりにも大変参考になるでしょう。

  未来の長屋 〜住まいと暮らし 実例集〜
  編集:共生型すまい全国ネット 出版社:市民福祉団体全国協議会・情報広場 

コーポラティブハウスって?グループリビングって?「共生型すまい」の実例を紹介
し、参加性・共同性・福祉性を3つの要素からなると言及しています。日本国内のみ
ならず海外における同様な事例紹介も盛りだくさんです。今は,一人で気ままな生活
をするのが一番!と思っている若い世代の方,眼前のこととしてとらえられないので
なかなか身をもって共生の重要性にきづくことが難しいかもしれません。でも,この
本に紹介してある住宅での生活ぶりはみな穏やかでとても居心地がよさそうです。本
を手にとり新たな住文化の世界にふれてみてはいかがでしょう。

 ■ 『地域コミュニティ論』
 ■ 山崎 丈夫 著  出版社: 自治体研究社

地域住民間の紐帯組織としての町内会・自治会,コミュニティ組織,NPOに焦点をあて、日的特徴を軸にしながらコミュニティの発達に向けた展開と将来像を検討されている本書は、コミュニティを組織論的に整理するにはお役立ちの一冊です。
本書は、1999年に同著者の「地縁組織論」の改訂新版として上梓されました。各章に渡って大幅に加筆・修正体系化が図られ、前著よりさらに充実した内容になっています。


 ■ 『ポスト分権改革の条例法務』
 
 北村 喜宣 編著  出版社: ぎょうせい

「地方分権一括法は自治体の何を変えたのか」について、横須賀市役所の全面的な協力を得てなされた研究の著。
衛生・福祉・都市という3分野に関する詳細な分析を縦糸に、そして,それを踏まえつつ分権改革に関する一般的論点を横糸に編まれた本書は,地方分権研究のひとつのスタイルを提示しています。

 
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 『地域暮らし」宣言―学校はコミュニティ・アート!』
 
 岸 裕司 著  出版社: (株)太郎次郎社エディタス 

「お父さんを学校に!」と,元気いっぱいの秋津コミュニティを紹介する岸裕司さんの秋津本第2弾!
学校と地域社会にとって双方のメリットをとの考え方で,生涯教育の場として学校を有効活用していく過程が手に取るようにわかります。「地域に開かれた学校に」と,秋津小学校で長年PTA会長を務めた岸裕司さんがしかけた,先導的な役割が大きかったものとは思いますが,やはりそこに群がる有能な資源が地域には埋蔵されているのだと思いました。
今回の著は,第1弾につづき,豊富な事例紹介もさることながら,一歩進んだ事例についての検証もなされています。
まちづくりのいろは本からの次のステップにいががでしょうか。


 ■『プロジェクトX リーダーたちの言葉』 
 今井 彰(著) 出版:文藝春秋


本書はNHKの人気番組「プロジェクトX」に登場したリーダーの言葉を厳選して収録したもの。友の死を乗り越えて青函トンネル貫通に導いたトンネルマン、奇跡の心臓手術に挑んだ天才外科医など、多方面で活躍した計18人のリーダーを紹介している。苦悩を隠し、純粋なまでにプロジェクトに打ち込むリーダーの生きざまが描かれています。コミュニティの自律に向けて頑張っている地域でもこのプロジェクトXに収められているような、熱い思いが隠されているに違いありません。私達の研究グループ「Now For Future」のプレゼンのオープニングにもこの番組のテーマソングである中島みゆきの「地上の星」を採用しています!何かをやりとげるには、「思いはかなう」と信じ、「やり遂げようという熱くて強い気持ち」だと感じました。
 

 

 
 『協働のデザイン』〜パートナーシップを拓く仕組みづくり,人づくり
 
 世古一穂 著  出版社: 学芸出版社』 

市民・NPO・自治体で知恵を出し合う環境・福祉・まちづくり。協働促進のためのルールづくりや委託と補助、支援センター、公益信託の新しい活用法などの協働をすすめる方策、力量形成に不可欠なNPO評価システムなど仕組みづくりと、市民と自治体をつなぐ協働コーディネーターやNPO起業家、スタッフなど人づくりに向けた理論と実践をわかりやすく解説してあります。
〜目次〜
第1章 世間型社会から市民型社会へ
第2章 市民参加と協働
第3章 自治体とNPOの協働の課題
第4章 自治体とNPOの協働を促進する仕組みと方策
第5章 協働をすすめる評価システム
第6章 協働コーディネーターの役割と養成
第7章 コミュニティ・ビジネスとしてのNPOの起業と人材養成



  『エンデの遺言』―「根源からお金を問うこと」
  河邑 厚徳 (著), グループ現代 (著) 出版社: 日本放送(NHK)出版協会ブックレビュー社
現代のお金に関する常識を破る思想を紹介。「根源的なお金の問い直し」がなされている。
本書は,NHKで放送されたドキュメンタリー「エンデの遺言--根源からお金を問う」を1冊の本にまとめたもの。
ドイツの作家であるエンデ(故人)は,「個人の価値観から世界像まで,経済活動と結びつかないものはない。問題の根源はお金にある」と提起する。エンデへの取材をもとに,彼の蔵書,貨幣社会の歴史を紹介しながら,現代の金融システムが引き起こす弊害に警鐘を鳴らしている。
本書では世界大恐慌直後のオーストリアのある町でのお金を保有していると1カ月ごとに価値が1%減少するという金融制度を導入し,経済活動を活性化させたという(最後は国家権力が制度を廃止させた)面白い事例などが紹介されている。プラスの利子は短期的な利益に向かい,マイナスの利子は長期的で人間の豊かさをもたらす有意義な投資に向かうというのは,現代社会の中に生きている我々にはなかなか思いつかない発想だといえる。
欧米に広がる地域通貨の実践―米国のイサカアワー、ヨーロッパの交換リング、スイスのヴィア銀行などのレポートもある。
偏った現代のお金主義と人間本来のコミュニティーにおける貨幣の価値のあり方を考え直すきっかけを与えてくれる。
〜目次〜
プロローグ 『エンデの遺言』―その深い衝撃
第1章 エンデが考えてきたこと
第2章 エンデの蔵書から見た思索のあと
第3章 忘れられた思想家シルビオ・ゲゼル
第4章 貨幣の未来が始まった
第5章 お金の常識を疑う
エピローグ 日本でも「お金」を問い直す機運高まる
 






NOW FOR FUTURE!! は福岡市職員の自主研究グループです。
Produced by NOW FOR FUTURE!! T.M