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市民活動と税制・財政フォーラム

札幌にて開催された「市民活動と税制・財政フォーラム」のご報告です。

   
 

市民活動と税制・財政フォーラム

エーピアイ・ジャパンの瀧谷さんのご挨拶でスタート

2005年3月19日札幌市のクリスチャンセンターにて、「市民活動と税制・財政フォーラム」が開催されました。 Now for future!!の道副が報告者&パネラーとして参加させていただきました。 このフォーラムはNPO法人エーピーアイ・ジャパン、NPO北海道推進会議、北海道NPOサポートセンターなどが 「市民による税制財政会議」 として平成16年4月より一年間、8回にわたって行われてきた会議の締めくくりとして開催されたものです。
なお、今回の議事については、「市民による税制財政会議」に掲載されるそうです。
http://www.apijapan.org/zeizaikaigi/index.html


第一部

市川市の寺沢和博さんより1%条例についてのご報告

市川市1%条例
まず、第一部として、国内、海外の先進的な3事例の報告から始まりました。
市川市の17年の4月より運用開始となる”1%条例”は、市川市ボランティア・NPO活動推進課寺沢和博さんから制度の概要、申請状況などご報告されました。希望をすれば個人市民税の1%を納税者自身が選んだNPOの活動に対する助成金とすることができるもので、日本初の取り組みです。
寺沢さんのご報告によると、この条例は正式には「納税者が選択する市民活動団体支援に関する条例」で目的は、市民活動の活性化だけでなく、納税意識を高めることもあるようです。
制度の検討のきっかけはハンガリーのパーセント法を取り扱ったTV番組がきっかけだったそうです。 テレビの力って大きいですね〜。その後、団体対象のアンケートやパブリックコメントを実施し、昨年の12月議会で可決されたとのこと。
この制度で支援できるのは、前年度の市民税を完納している市民で、前年度納税額の1%を支援することが出来ます。市民税で支援を受けられる団体は、市川市内で活動をする非営利活動団体で、市内で実施する事業についてです。申請額は、事業の経費が2分の一が上限となります。1月から募集を始め現在は83団体が申請しているとのとのです。分野別では保健福祉の増進、子どもの健全育成が多いようです。このような方式の税制は、ハンガリーで1996年に実施され、ハンガリー方式と呼ばれています。

NFFの道副より福岡のNPO基金のご報告

福岡市NPO活動支援基金制度
次は”福岡市のNPO活動支援基金制度”を報告致しました。
この基金は、市民から寄せられた寄付を基に、市内のNPO法人の事業費に助成していくものです。寄付者は税制上の優遇が受けられます。
今回は、Now for future!!の道副が概要のほか、手続きや審査経過、決定の流れについて所属するNPOでの例を挙げて説明致しました。
NPO支援の基金としては、公益信託などの方法もありますが、条例に基づく基金に寄付した場合は、一定の税制上の優遇処置が受けられます。基金の基本財産は1,000万円で、そこに寄付者からの寄付金が積み上げられていきます。
支援を受けたいNPO法人は、市に登録します。登録団体のリストは公開されているので、寄付者はそれを見て団体を指定することもできます。集まった寄付金をどの団体に配分するかについては、公開審査会を行い、NPO法人の事業計画のプレゼンを経てその場で決定されます。


笹川財団の茶野さんより、ハンガリー1%支援税制のご報告

ハンガリーの1%支援税制
そして、ハンガリーの”1%支援税制” についてを笹川平和財団の茶野順子さんからのご報告です。ハンガリーの1%支援税制については、テレビ番組で放映されてから日本でも広く知られるようになり、市川市の1%条例も、ハンガリーの制度をモデルにしました。この制度は、ハンガリーで社会主義体制が崩壊したあとに実施されたもので、一般納税者が所得税の特定の割合(1%〜2%)に相当する額を特定の公益機関に提供することが出来るものです。今では、ハンガリーだけでなく、スロバキア、リトアニア、ポーランド、ルーマニアなど周辺諸国まで広がり、今後チェコやブルガリアなどでの実施が検討されています。茶野さんのお話を聞いて、特徴的だと感じたことは、1%資金がNPO側にとって使いやすそうなことでした。プログラムスタッフの給与にも使うことが可能であることや、会計年度を超えて支出することも可能だそうです。また現在では多くの国民に拡がっているようで、全納税者の1/3がこの制度を利用しているそうです。


堀田力さんの基調講演

第二部

第二部には、「さわやか福祉財団」理事長、堀田力さんの基調講演です。
堀田力さんは、元検事でロッキード事件にも関わられた経験があり、法務省大臣官房長などを歴任されました。退官後、さわやか福祉財団を設立されています。
今回の基調講演で、堀田力さんからは、市民活動をとりまく税制・財政の近年の動きや、今後の制度の改革に向けた提言がなされました。私は客席にいたのですが、会場では、堀田さんのお話を熱心にメモをとられる方が多かったように見えました。

パネルディスカッション

第三部

第三部は三名の報告者、堀田さんに札幌市職員の今川かおるさんを交えたパネルディスカッションです。
会場からは、各制度の今後の課題、制定までの市民・各団体との対話をどのように行ってきたか、また、NPOはまだまだ市民にはなじみが薄いことや、これからの広報のあり方、活動の周知の効果的な手法についてのご意見がありました。
堀田さんからは納税者からみた市民団体への支援についての考え方、公益性とはなにかなどの説明がなされた後、各パネラーもそれに応じて日頃市民と関わる中で感じていること、これからの市民活動への資金的な支援制度のあり方について考えを述べ、議論が進みました。
パネラー、参加者ともに、市民、NPO、行政、企業、各セクターがお互いをよく知り、役割を認識しながら制度を盛り上げていかねばならないと、これからの制度の発展について意見が一致しました。


フォーラムを終えて

札幌市の今川さんから貴重なご意見

今回は、「市民活動と税制・財政」というテーマでしたが、市川の1%条例、福岡のNPO活動支援基金、ハンガリーの1%制度といずれも注目される内容だっただけに、とても"お得"なフォーラムだったと思います。このような企画を札幌のNPOが開催しているということで、北海道、札幌の市民活動のパワーを感じました。
みなさまのお話を聞いた感想は、どのような制度にしても、制度ができたことで満足するのではなく、それをうまく活用していくことが大切であると思いました。NPOへの市民の関心は、まだ高いとは言えません。NPOが自分たちの活動を積極的にアピールし、公開性の担保された制度の中で、市民と多く接点をもってさらに実効性のある制度へと改革していく 必要があると思います。
また、多くの自治体でこのような制度が次々と制定されていますが、それぞれの制度の長所や短所を洗い出し、自治体間で切磋琢磨しながら、よりよい制度へとさらに改革を進め、国の制度をも動かすような大きな力になっていけばと感じました。


日 時:

2005年3月19日(土)15時00分〜19時30分

会 場: 北海道クリスチャンセンター
札幌市北区北7条西6丁目 TEL 011-736-3388
内 容:

第1部:個別報告会 15時15分〜16時45分まで(以下の3名より各30分間)

  ・ 市川市の「1%条例=納税者が選択する市民活動支援に関する条例」について
  (http://www.city.ichikawa.chiba.jp/net/siminsei/volunteer/index.html 参照)
  ・ 福岡市の「NPO活動支援基金」について
  (http://www.fnvc.jp/20go_topics2.html 参照)
  ・ ハンガリーの「パーセント法」(納税者が所得税のうちの1%ないし2%を自らが選択した公益機関に提供できるという法律)について
  (http://www.spf.org/percent.html 参照)

第2部:基調講演 「市民活動と地方自治体の税制・財政」17時〜17時50分
  講師 弁護士・さわやか福祉財団理事長 堀田力さん

第3部:パネルディスカッション・一般参加者との意見交換 18時〜19時30分
パネリスト:
  ・ 寺沢和博さん(市川市市民生活部ボランティア・NPO活動推進課副主幹)
  ・ 道副智美さん(福岡市自主研究グループ「Now for future!!(ナウ・フォー・フューチャー)」事務局長)
  ・ 茶野順子さん(笹川平和財団事業部主任研究員/中欧基金室長代行)
  ・ 堀田力さん(弁護士・さわやか福祉財団理事長)
  ・ 今川かおるさん(札幌市職員)
コーディネータ:
  瀧谷和隆(NPO法人エーピーアイ・ジャパン代表)

主 催: NPO法人エーピーアイ・ジャパン
共 催: NPO法人NPO北海道推進会議・NPO法人北海道NPOサポートセンター
後 援: 札幌市
※このフォーラムは(財)トヨタ財団の2003年度の市民活動助成により実施しています。

 


NOW FOR FUTURE!! は福岡市職員の自主研究グループです。
Produced by NOW FOR FUTURE!! T.M